華火

イルカは、ごくり、と唾液をのみこんだ。
反らした喉が上下する。
喉仏が動く。
視界に入ったその様に、なのか。
無意識のうちに刺激が走ったのか。
イルカの口内にあるカカシのモノはよりかたくなった。
背に流したイルカの黒髪を、カカシは大きな掌で、くしゃり、とさせる。
下腹部が蠢いたことを、イルカは感じた。
男色の嗜好は持ったこともない。
任務や戦場で関わることもなかった。
今でも、自身と同じ男の性器を咥えるなど、想像しただけで吐き気がする。
でも、カカシだけは違う。
カカシの性器だけが、違う。
望んで、唇を近づける。
刺し貫かれたいと願う。
口腔で育っていくモノが愛しい。
それは美味な果実で、イルカにだけ滋養をなすもの。
それを舐めているだけで、イルカの性器もまた勃起し、全身が官能の色に染まる。
カカシが何かを言った。
イルカは、舌の動きを止めない。
カカシの指が、イルカのモノをとらえる。
イルカは、カカシのモノを口から放さないまま、震えた。
雄の反応を示すイルカの性器を手で刺激し、指で液をとり、イルカの後門になすりつける。
膝が笑った。
歯を立てそうになる。
イルカは、それをやっとのことで堪えた。
違和感は、すぐにいとおしい感覚にかわっていく。
ココが。
イルカの耳元に口を寄せて、カカシは低く甘く囁く。
「オレの大好きなトコロ。オレを大好きなトコロ」
「あっ」
声が洩れ、イルカの口から、愛しいモノがこぼれた。
そのまま、カカシは、足を開かせてイルカを自分の上にのせる。
「ああっ」
唐突に突かれ、イルカは弓なりになる。
「大きいでショ。イルカ先生がそうしたんだよ」
カカシの声はどこまでも甘い。
もう、答える術もイルカは持っていない。
喘ぐ。
悶える。
華のように。
火のように。
カカシはイルカの。
イルカはカカシの。
華火となって互いを灼き、輝かせ、散る。

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