サクラちゃんに感謝してる。
おれってば、サクラちゃんが大好きで、でも、サクラちゃんはサスケが大好きだった。
泣きそうな、必死な顔で「サスケくんを連れ戻して!」と頼まれたときは、大好きなサクラちゃんのために、サクラちゃんの大好きなサスケを、ぜってえ連れて帰ってくる、と誓ったんだった。
その為に、強くなるって誓った。
木の葉の里に戻ってきて、さっそくカカシ先生とサクラちゃんと任務に出ることになって、イルカ先生に言われた。
「頼む。カカシ先生が無茶をしないように、見張っててくれよな」
あのときのサクラちゃんみたいな顔だと思った。
思ったんだってばよ。
「だいじょうぶ」
おれはゲジ眉の先生のポーズをした。
「おれってば、ほんとに強くなったんだぜ!」
だいじょうぶ。
おれが大好きなひとの大好きなひとは、みんな、おれが守る。
おれは、もう決して、大好きなひとを悲しませたりしない。
サクラちゃんに感謝してる。
大好きなひとには大好きなひとがいること。
でも、その大好きなひとには、ちゃんと大事な人としておれの位置があること。
それを、最初に教えてくれたから。
耐えるとかじゃなくて、大好きをもっと大きくすることを教えてくれたから。
だいじょうぶ。
大好きなひとの大好きなひとは、おれが守る。
おれはもう、決して大好きなひとを悲しませたりしない。