インドメタシン増量配合。
医療班から貰ってきた湿布。
忍術講師だ。
打ち身や捻挫がしょっちゅうだから、常備しているわけだ。
しかるに。
怪我したわけでもなく。
重労働のあとの筋肉疲労でもなく。
いや、ある意味、重労働だが。
休みの日に貼るのは、心苦しいのだが。
けれど。
あああ、効く。
痛みが引く。
「イルカ先生、ただいま〜」
「はい、お帰りなさい」
自分の家に、ただいま、と「帰ってくる」上忍には慣れた。
「わあ、茄子の味噌汁、作ってくれたんですね」
二人分の食事を作る、それも、相手の好物をついつい用意してしまうこと、これにも慣れた。
「あ〜、イルカ先生、なんかメンソール臭いですよ。腰に湿布、貼ってるんですか。じじむさいなあ」
他の誰に言われても、相談役のじいさんばあさんに言われたとしても!
「あんたにだけは言われたくねー!!」
ぶち切れたイルカは、見事なドルフィンキックを、元暗部の背中に決め、その後、赤くなったその箇所に、インドメタシンたっぷりの湿布を優しく貼ってあげたということである。
え? イルカ先生の腰痛の理由?
そんな野暮なこと、ききなさんな。