そんなに、呑ませないでください。
今のおれ、酔っちまうと何を言うかわかりませんよ。
愚痴の火ダルマです。
え? それでいいからって?
酔って、愚痴を言って、ストレスを解消しろ?
ストレスで胃炎になっても、医薬品が不足してるんだからって。
確かにね。
足らぬ足らぬは工夫が足らぬ。
いや、工を×して、夫が足らぬ。
足りない、足りない。人手は全く足りてません。
アカデミーの生徒や、卒業したての下忍たちに被害がなかったことは、何より喜ばしいんです。
それでなきゃ、忙しいで済みゃしないんですけど。
けど、亡くなったかたの多さは…。三代目も…。
あ、大丈夫ですって。おれは。
それに、ここだけの話、実働部隊の中忍が、ずいぶん、やられちまったでしょ?
これがイタイですよねえ。
大蛇丸さまを恨んでも始まりませんけど。
ほんと、砂と戦争にならなくて良かったです。
忍者大戦、再び、なんてったらねえ。
洒落になりませんよ。
ねえ?
大蛇丸さまが抜けたときのこと?
覚えちゃいませんよ。
おれは、まだアカデミーにも入ってなかったんじゃないですかね。
カカシさんなんかは、よく覚えてるそうですよ。
追い忍部隊に入ってたんですって。
カカシさん、個人的にはどうしても嫌いになれないって、言ってました。
不思議な形で可愛がられたそうです。
三忍の皆さんのいいオモチャだったんですよね、カカシさん。
そうそう、中忍が足りなくてっていう話でした。
事務方は壊滅状態です。
九尾のときと違って救いなのは、火の国自体がやられたわけじゃないんで、大名から、特別費用が出るってことですかね。
でもね、五代目の就任式から始まって、予算の割り振りとか、計算とか、それをする中忍がいないじゃないですか。
誰がやると思います?
おれですよ、おれ。
おれが計算して、会計するんですよ!
大変かって?
大変ですよ!
カカシさんも気の毒がってくれるんですけど。
あの人、こういう事務仕事に向いてる人じゃないですからねえ。
せめて、どんどん、任務をこなして外貨を稼いでもらわないと。
ああ、はい。
やりますよ。アカデミーの繰り上げ卒業。
下忍にも、Cランクをどんどん回します。
いやあ、シカマルが中忍にあがってくれて助かりました。
おれの仕事、教えるつもりです。
ははは。
そんなことないですよ。
事務仕事を出来そうなのを、優先して中忍にあげた、なんてことは。
カカシさんも、シカマルをいちばんに推薦してましたし。
ほんとですって。
そうですね。イタチが抜けたときのことは、よく覚えてます。
あのときの騒ぎは、凄かったですねえ。
うちはの悲劇も壮絶ですが、暗部の秘密を全部、持ってかれたようなものですから。
書類やら何やら、すべてを刷新したんですよね、あのときに。
パソコンを導入したのも、あのときでしたっけ。
よく、過労死しなかったもんだと思いますよ。
おれ、事務仕事もやりましたし、任務も出てましたし。
今と同じ状況?
やだなあ、洒落になりませんね。
あのときは、カカシさんは追い忍に入らなかったそうです。
もう、暗部を抜けてたせいでしょうか。
写輪眼保存のためだろう、なんて笑ってましたけど、カカシさんが凄いのは、カカシさんが凄いんであって、写輪眼が凄いわけじゃないですから。
あ、おれが力説することじゃなかったですね。
うん。大丈夫ですよ。
木の葉の里は大丈夫。
おれも頑張ります。
カカシさんも、上忍の方も頑張ってらっしゃいますし!
え? おれは信じてましたよ。
すぐに目を覚ますって。
起きないはず、ないでしょ。
え?
毎日?
毎日なんて通ってません!
だって、任務で里を空けた日がありましたから!
……はい。里にいるときには、だいたい。
…………。
おれの話に、そんなにカカシさんの名前が出てきます?
いや、別に。
他意はないんですよ。他意は。
ほら、カカシさんて昔の事情にも詳しいし、話上手だし!
だから、おれが強調することじゃないですよね。
他意はないんです!
すっかり、御馳走になりました。
おれも、お喋りが過ぎました。
ええ、明日からも頑張りましょう!
え?
えええええ?
サスケが?!
明日からどころの話じゃないですね。
今から、すぐ、行きます。
じゃあ、失礼して。
話を聞いてもらって、ありがとうございました。
あなたも、どうか身体に気をつけて。
じゃ。