一つに
 
朝の光が、寝台のイルカとカカシを包んだ。
イルカは目を瞬かせて、軽く身をよじる。
二人とも休日という朝だ。
このままゆっくりしていもいいのだけれど、と迷いながらも、イルカはカカシの腕の拘束を外して、床を出ようともがく。
もがけばもがくほど、カカシの腕の力は強くなった。
「逃がさなーいよ」
笑いを含んだ声で、カカシが言う。
「なんだ、起きてるんじゃないですか。朝メシにしましょうよ」
「そうだね〜。オレも餓えてるしね〜」
言いながら、カカシはイルカの項に舌を沿わせる。
「あ、ん、もう! 昨日、やりすぎるくらい、やったじゃないですか!」
イルカは唇を尖らせて、カカシの銀髪を引っ張る。
「やりすぎてなんて、ないですよ。オレ、まだまだ欲しいです」
カカシは、かたい股間をイルカに押しつける。
「思春期のガキですか! そろそろ落ち着いてもいい年ですよ、カカシさんも!」
「イルカ先生が、年齢不相応に可愛いすぎるのがいけないんです〜」
すっかりカカシは火がついてしまったようで、イルカの皮膚を、本気で辿りだす。
「んんっ、せ、せっかくの休み、やることも、大事な用も、たくさん…」
イルカは、まだ抵抗してみせる。
「あなたとオレと、二人でいること以外に、大事なことなんてある?」
真剣な眼差しでカカシに問われ、イルカは頬を赤らめる。
「ありません…」
「じゃ、ま、いちばん大事な用をね」
カカシは、イルカの男性器に、長い指を這わせる。
「あっ」
イルカは、大きく身を反らせる。
カカシは、イルカの果実を育てながら、残った指と、唇とで、イルカの肌を朱に染めていく。
カカシから与えられる刺激を覚えこんでいるイルカは、高温にさらされた飴のように、自在に身をくねらせ、反応を返す。
尻のはざまも、昨夜のカカシを忘れてはいないようで、すぐに熱を持ち、ほぐれていく。来るものを待ち構えるように、ひくひくと蠢きさえ、する。
「あ、ああ、ん、んんっ」
カカシの官能を煽りたてる声を、イルカはあげながら、首を振る。
イルカの黒髪が、扇のように広がって、揺れる。
「いれるよ」
カカシは短く宣し、己の男根をイルカに埋めていく。
受け入れる瞬間、イルカは身をこわばらせ、唇を噛みしめる。
そのイルカの緊張をときほぐしながら、カカシは、ゆっくりと腰を進めていく。
イルカの言うとおり、夜の間、幾度、愛し合ったかしれない。
カカシは、イルカを貪りつくした。
それなのに、翌朝となると、またイルカが欲しくなる。
異常だと言われれば、そうだろう。
ケダモノと呼ばれれば、そのとおりだ。
カカシは、ただイルカが欲しくてならない。
「痛い?」
ソレをイルカの内におさめ、カカシは問う。
「う、うう、ん。痛く、ないです」
必ず、イルカはそう答える。
「一緒に、いこうね」
カカシは、激しく腰を打ちつけ、イルカの男性器を擦る。
「あ、ああっ!」
イルカが、すべてを解放する叫びをあげた。
「うっ」
カカシも小さく呻き、イルカの後にならう。
どくり、と脈打つものが、イルカの身体の奥をみたしていく。
ソレを抜いてからも、カカシとイルカは、しばらく汗ばんだ肌を合わせていた。
「このままカカシさんに付き合ってたら、俺、きっと物凄く早く枯れます」
ぽつん、とイルカが言う。
「じゃ、イルカが枯れた分も、オレががんばるね」
「そういうことじゃなくて!」
怒ったように身を起こすイルカの頬を両手ではさみ、口付ける。
イルカは言葉をのみこまされ、少し、怒ったような顔をしたが、すぐにカカシの胸に倒れこみ、幸せそうに笑んだ。
 
二人でいること以上に、大事なことなどない。
二人が一つになる行為以上に、互いへの愛をうたうものもない。
 
 
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