『こころ・2』
――…『昔、イルカが言っていた『冬以外は姿を保てる方法』ってどんな方法?
あの頃のイルカは無理だって言っていたけれど、今なら出来るの?』
熱を帯びたカカシの瞳が、逸らす事を許さない強さでイルカを見つめた …――
何時かカカシは2人の間に出来た『壁』を壊すかもしれない。
薄々と感じてはいたけれど。
それは何時の頃からか、自分の中に芽生えた感情。
紅葉のように小さな手と握手を交わした日から、少しずつ少しずつ年月を重ね育ってきた想い。
何時の頃から、カカシの瞳の中に自分と同じ情欲の焔を見つけ。
自分の想いに気付かれてはいけないと。
カカシの情に気付かない振りをして。
少し距離を置いて接してきたのに。
カカシとの間に置いた。
カカシとの間に置かせた『壁』が。
今、壊されようとしている。
そう、感じた。
それは、ずっと望んでいた事でもあり
ずっと恐れていた事でもあった ……………。
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