『こころ・3』















「出来るか出来ないかは置いておいて。…カカシはそれを知ってどうするの?」


深呼吸をして、知らず力が入っていた身体の緊張を解いて。


カカシの目を見ながら、イルカは一歩下がり距離を広げる。


「どうするって……、ただ方法があるなら知りたいんだ」


「何故?確かに花咲く季節しか姿は取れないけれど、カカシが生まれてからずっと一緒に居るだろ?


人型としては現れる事は出来なくても、此処に居る事はカカシも知っているじゃないか」








自分の樹に手を添えて、諭すように告げる。


カカシの思いなど見透かしているかのように、牽制とも言える言葉に。


抑えてきた思いが決壊した。







カカシは、一歩踏み出してイルカとの距離を縮め。


「イルカが好きなんだ。


花咲かせている季節だけではなくて、叶うならずっと一緒に居たい。


春も夏も秋も冬も。


イルカが人でなくても、一緒に居たいんだ。


ねぇ、イルカ。


俺を好きになって。


恋人として、好きになって。


イルカに触れたくて気が狂いそうなくらい…好きなんだ」







そう言って、ずっと恋焦がれていたイルカの唇にカカシは唇を重ねた。


余りの出来事に、反応が出来ず。


カカシにキスされたと気付いたのは、唇を重ねたまま抱きしめられた時だった。














ブラウザでお戻りください