鋼のように

犯りたい。
抱きたい。
この二つの言葉、山本には、はっきりと違っている。
スクアーロを、犯りたい。
獄寺を、抱きたい。
それは、全く違う。
だが、他人に説明しろと言われたら出来ない。
自分には、竹刀と真剣くらいに、明らかに異なったものであるのに。
日本語だろうと、イタリア語だろうと、説明は出来ない。
ただ。
スクアーロを、犯りたい。
獄寺を、抱きたい。
そう、思う。

スクアーロを犯るのは簡単だった。
問題は時間と場所だけで、スクアーロには抵抗も恥じらいも何もなかった。
まあ、されたら、犯れないけれど。
きれいなからだだった。
男に慣れているのか、女を抱きなれているのか、何よりもザンザスとセックスしているのか、山本にはわからなかった。
自分の年齢と、経験のせいではないと思う。
スクアーロのからだは、空っぽだった。
何もなかった。
何も、伝えてこなかった。
喘ぎ、汗をかき、イき、後ろで受け入れても、空っぽだった。
初めてだから、というわけでは、ないことは、二度目の逢瀬でわかった。
犯ったのに。
あんなに犯ったのに。
山本は、どこにも残っていない。
悲しかった。

獄寺を抱くのも簡単だった。
山本は獄寺を好きだったし、獄寺も山本に、寝台の中で見惚れるような美しい笑みをくれた。
甘いからだだった。
抱けば抱くほど、甘くなった。
なのに。
出せば出すほど、虚しくなる。
虚しくなった。

男ってのは突っ込むか、突っ込めねえかしか頭にねえ。
そいで、突っ込んだら、虚しいだけで、また次に行くんだ。

そう言ったのは、誰だっただろう。
山本の周囲には、身も蓋も無い大人の男ばかりが居たから、誰が言っても不思議ではない言葉だったけれど。
突っ込みたい。
スクアーロにも獄寺にも。
でも。
犯りたい。
抱きたい。
悲しい。
虚しい。
違うのは何故だろう。

強くなったら、すべてがわかり、考えることなど無くなるのだろうか。
山本は、剣を振る。
早く、大人になりたい。
山本は、剣を振り続ける。

戻る