日光に行こう! 5(現代O阪人パラレル)*

ミナトは、自分も身を覆っているものをとり、サクモにかぶさる。
全身の皮膚と皮膚を接して、キスをする。

最初から、サクモはミナトに、あっさりと身をくれた。
抵抗も、躊躇も、何もなかった。
こんなん、したがるの、ミナトだけ。
そう言って笑った。

「おれ以外、あかん。カカシでも、あかん」
長いキスの後で、ミナトは低く、サクモに言い聞かせる。
「ミナト以外、誰も、したがりませんて」
また、サクモは笑う。
自分を知らなさ過ぎる。ミナトは、嘆息する。
サクモは、その才能でも、自分自身でも、欲しがる者に簡単に与えてしまう。
命までも、あっさり差し出してしまいそうなサクモを引きとめることに、どれだけミナトは苦悩していることか。
この、白き人にはわからない。
わからないから、熱で溶かす。

サクモの項に、鎖骨に、ミナトは歯を立てる。
痕が残るほどに強く。
サクモは声をあげかけ、指を強く噛む。
白い指の皮膚が破れ、一筋の血が滲んだ。
「そんな強う噛んだら、痛いでしょ」
己の為していることを他所にして、ミナトは、サクモの指を取る。
傷ついた指を、ゆっくりとねぶる。
唾液をからめ、舌を当てる。
「ミナト、あかん」
サクモは、涙声を出した。
名残惜しそうに指を離し、ミナトは、タオルを手にする。
そして、手早く、サクモに猿轡をかませた。
サクモの、淡い色の瞳が大きく見開かれる。
「ちょっとだけ、我慢して。声、出したら、カカシ、起きますし」
囁くと、ミナトは、サクモの両手首をきつく掴み、シーツに縫いつけるようにし、足を絡ませて、サクモの肌を唇で愛撫することに戻る。
執拗な、胸への愛撫。
サクモは、声も動きも封じられ、喉をそらせることしか、出来ない。
白い髪が、揺れる。

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